「ヘッドハンティング」と「スカウト」の意味を混同して使う人が多いと感じています。
辞書を見ても2つの言葉の明確な違いは分かりにくいものです。
しかし、この2つの言葉は使い分ける必要があります。
しかし応募書類や面接などで間違った使い方をすると「大きな減点」になる可能性があるので注意してください。
ヘッドハンティングとスカウトの誤用に注意
「ヘッドハンティング」と「スカウト」は対象者を選抜する段階に少々違いがあります。
ヘッドハンティングとは何か?
ウィキペディアで検索すると、ヘッドハンティング=「エグゼクティブサーチ」の項に次のように書かれています。
エグゼクティブサーチ(英: Executive search)は、役員などの経営幹部または特定の専門的なスキルを持った人材を、外部からスカウトする業務を指す。ヘッドハンティングとも。
対象者は「役員などの経営幹部または特定の専門的なスキルを持った人材」です。
スカウトとは何か?
同様に「スカウト」は、
スカウト(scout)は、求められる人材を見つけ、勧誘すること。
対象の人材が既に所定の組織などに属している場合は、好条件を示してそれら組織から自陣営側の組織に呼び込むことも行われる。
(中略)
本来の意味で言えば、人材となる人物を探し出す行為(勧誘はその次の段階)である。
対象者は「求められる人材」です。
ヘッドハンティングとスカウトの違い
ヘッドハンティングと人材スカウトは「応募していないのに連絡が来る」という点は共通していますが、両者には明確な違いがあります。
ヘッドハントの対象となる人の特徴
ヘッドハントの語源は「首狩り」であり、対象はヘッド(頭)です。
ヘッドハンティングの対象者はウィキペディアにあるように、
1) 役員などの経営幹部
2) 特定の専門的なスキルを持った人材
1)は、まさに企業のリーダー(頭)であり、2)も、企業や業界、技術分野の顔(頭)レベルの方を指します。
以前は40代以上の方が多かったのですが、最近は若いエグゼクティブも増えました。
対象者の絞り込みや調査に使われるのは、
業界の人脈、業界紙、情報誌、マスメディア、学会発表、特許、自社ホームページなど。
氏名や担当業務、実績まで調査した上でスカウト(勧誘)を行います。
”ヘッドハンター”と”紹介先の企業”では、対象者について事前に合意できているケースも多くあります。
・現在の担当業務を一所懸命にやっている
・転職する気はまったく無い
(役員の任期満了時期などを除く)
人材スカウトの対象となる人の特徴
一方、スカウトの対象者はウィキペディアのとおり、
「求められる人材」
例えば
・◯◯の営業経験が5年以上あり、かつ、※※について詳しい人
・△△の製造経験が3年以上、研究開発経験が5年以上ある人
など、やや難易度が高い職種で、「募集して待っているだけでは応募者の数が少ない」と予想される場合に、条件に当てはまる候補者を人材会社に人選してもらい紹介してもらうケースを指します。
対象者の絞り込みに使われる情報ソースは、
・転職サイト
・人材会社も利用する転職サイト
(スカウトマンから声がかかります などと宣伝)
・linkedinなどのSNS
・「転職したい」または「チャンスが有れば転職したい」と考えている人
・転職サイトなどに情報登録をしている人
応募書類や面接での誤用に注意!
前職への転職理由として、履歴書に「ヘッドハントされたため」と記載する人がいます。
実力をアピールしたいのだろうと思います。
しかし結局は、その会社を辞めて転職しようとしている、ということは、
1)ヘッドハンターの人選が間違っていた
2)本人も新しい職場で力を発揮できなかった
と解釈でき、いずれも印象点が下がるだけです。
人事部長のまとめ
・ヘッドハンティングとスカウトの誤用に注意しましょう
・ヘッドハントされたことをアピールする場合は、退職理由をキチンと考えておきましょう。
・応募書類、面接などで、安易に使用すると大きな減点になる場合があります。
ただし「リーダーなのに、簡単に辞めてしまう人」という印象は、絶対に避けねばなりません。
あなたの実力が認められるよう、丁寧に説明しましょう!