家族の同意を得ていない転職は失敗する可能性が高いです。
家族の同意がなかったため転職に失敗した事例をお話します。
「転職について、ご家族はどのようにおっしゃっていますか?」
転職者に対する最初の面接で必ず確認しています。
「妻は私についてきてくれる」の大間違い
ある男性応募者は、自信満々にこう言いました。
「妻は、転勤や海外赴任にも黙ってついてきてくれました。私を信頼してくれているので、転職も決まってから話せば問題ありません」
この方は採用試験に合格し、仕事内容も大いに気に入り、年俸も大幅アップで大満足だったのですが、最終段階になって、奥様の強力な反対にあい、転職できませんでした。
(後述します)
「自信過剰」は、男性に多い一番危ないパターンです。
「妻は自分に従う!」というのは幻想ではありませんか?
転職は家族の人生も変える
転職は応募者の人生を変えます。
1日の大半を過ごす職場を変え、人間関係も変えるのですから当然です。
転職によって、転居を伴う場合(UターンやIターンを含む)はなおさらです。
生活環境が変わる、お子様は転校するなど、ご家族にも人生の転機となります。
奥様(旦那様)には、なるべく早く、できれば転職活動に入る前に相談して合意を得ておく必要があります。
転職に失敗した原因が◯◯だったとは・・・
先程の男性応募者の場合、奥様がどうしても転職に合意してくれませんでした。
その理由は「1年ほど前に入居した社宅(団地)」のせいでした。
その社宅は、高度成長期に作られた団地のような鉄筋コンクリートのアパートが何棟か立ち並ぶもので、入居者は皆、同じ事業所で働く社員の家族です。
家の中は広くないし、建物も古いので、決して立派ではありません。
転職して年収が上がったら、新築マンションに移り住んでもまだ余裕があります。
実際、団地の奥様たちのおつきあいにも、会社でのご主人の役職がビミョ~に影響するというので、社宅にこだわる理由がすぐには理解できませんでした。
奥さんが転職に反対した理由
応募者と奥様は、同じ会社で働いていた元同僚、社内結婚でした。
社宅には、同じように社内結婚をした奥様たち(元、同僚です)を含むコミュニティがあり、同じ会社で働くご主人たちを支える「大きな一体感」があるそうで、奥様は「それが捨て難い」とのことでした。
転居して、そのコミュニティから抜けることは奥様にとって「会社をやめること」と同じような、ある種のバツの悪さを感じていたようです。
最後は奥様のご両親まで参加する家族会議を開いて、転職を思いとどまりました。
何が幸福なのか?は人によって違うものですよね。
応募者本人だけが、昼間は会社に出掛けていて、そんな事情を全く知らずに「妻は自分に従うもの!」と勝手に思っていたわけです。(笑)
家族の幸福も考えて、転職は事前に同意を得ましょう
40代ともなると、ご家族やお子様の生活もそれぞれに確立されていて、若かった頃の昔のイメージのままでいると、後になって痛い目を見ることになりますよ。(笑)
人事部長のまとめ
・家族の同意を得ていない転職活動は失敗する可能性が高い
・「妻は私についてきてくれる」の大間違い
・転職は家族の人生も変える
・転職に失敗した原因が◯◯だったとは・・・
・家族の幸福も考えて、転職は事前に同意を得ましょう
内定直前まで進んだ優秀な方に辞退されるのは、求人企業にとっても痛手です。(涙)
応募する会社のためにも(笑)、事前確認をよろしくおねがいします!