愛すべき転職者達

内定承諾後に辞退→再度入社を懇願 ~上司のこんな引き止めに注意!

内定 辞退
まこと部長
まこと部長
この事例は、単に「内定の辞退」というより、あなたが退職を申し出たときに「上司の引き止め」にどう対応するか?という実例として参考にしてください。
こんなドンデン返しが実際に起きたのです!

A氏は内定を承諾後、入社予定日の1ヶ月前になって急に辞退してきました。
ところが3ヶ月後に「もう一度、採用を検討してもらえませんか?」と力のない声で電話してきました。

いったい彼に何が起きたのでしょうか?

転職理由は上司への不満だった

A氏は生真面目な、まさに技術者タイプの人。

転職理由は“どんなに良い提案をしても、上司が許可してくれないから自分のやりたいことが出来ない。”というもの。

上司はきっと、私が手柄を取るのがいやなのだと思う。」と言います。

面接では、彼の「新しいアイデア、良い提案」について、具体的な質問はできません。
彼の会社の新事業や特許アイデアを盗む場ではないからです。

彼の専門分野は希少で、やっている人が少ないため、転職したいという人も出て来ません。
そのせいもあって話はどんどん進み、入社条件も合意して採用内定、あとは入社日を待つばかりとなりました。

私もホッとしていたときA氏から「入社を辞退します」という電話が入りました。

転職者の内定辞退 ~上司の引き止めは甘い言葉に注意!

転職者A氏
転職者A氏
今の会社で「全て提案どおりにやってよい」と上司の許可が出ました。
もう転職する必要がなくなりましたので、入社承諾はキャンセルしてください。
まこと部長
まこと部長
今まで認めなかった提案を、急に認めてくれたのはなぜですか?
転職者A氏
転職者A氏
退職を申し出て初めて、私の実力を認めざるを得なくなったのです。
必要な人員も、高額な設備も全て揃えてくれるそうです。
まこと部長
まこと部長
まず一度会って、話を聞かせてください。
転職者A氏
転職者A氏
会ったところで自分の気持は変わらないし、時間の無駄です。あなたの会社に転職する必要はなくなりましたので・・・。

と、けんもほろろで取りつく島もありません。

転職者の内定辞退 ~企業側が困るのは・・・

こんなとき人事部署が困るのは
・滅多にいない専門性を持った人を、もう一度、最初からさがす手間がかかる
という事ではありません。

入社日まで数週間となったタイミングでの入社辞退は、会社の事業計画に大きな影響(損失を含みます)を与えかねないので、如何にカバーできるか?ということです。

まこと部長
まこと部長
入社に合意してサインしたのですから、辞退するにしても社会人として誠意ある態度で望む必要があります。

本音で言えば、“社内に報告する必要”もあるため、電話一本で済ませるのではなく、キチンと話を聞きたいものです。

必死になって別の人をさがす!

結局A氏は面談には応じず、電話のみで入社辞退となりました。

急いで別の候補を探す必要があります。
先述の通り、その分野はやっている人自体が少なかったので、候補をさがすのは至難の業です。

・誠意のないA氏に対する(正直なところ)怒り と
・事業計画の遅れを最小限に抑えること
をエネルギーの源泉として、必死に候補者を探し、説得して、内定まで3ヶ月。

まこと部長
まこと部長
転職する気がない人を説得して転職させるのは、たいへん難しいことです。
3ヶ月で内定まで持ち込めたのは奇跡的ですし、私もその頃は若くてパワーが有ったということでしょうか。(笑)

正直なところA氏より優秀な技術者が入社してくれることとなり、計画の遅れも挽回できる見込みが立って、入社する部署も私もホッとしていたとき、A氏から冒頭の電話がかかってきました。

約束した上司は異動 ~認められていた計画は中止!

転職者A氏
転職者A氏
もう一度、採用を検討してもらえませんか?

ビックリして、もう一度聞き直しました。

入社をドタキャンしたA氏が3ヶ月後に「もう一度、入社を検討してもらえませんか?」と力のない声で電話してきたのです。内定辞退の電話のときとは別人のような声です。

聞けば、
全てを認めて約束してくれた上司が異動(栄転)になり、後任の部署長から計画の中止を宣告されたとのことで、元の状態に戻ってしまったとのこと。

まこと部長
まこと部長
新しい上司は計画を引き継いでくれなかったのですか?
転職者A氏
転職者A氏
そうなんです。元の上司は良い人だったのに・・。
(面接での発言と正反対!)

・すでに別の人が内定していたこと
・そのポジションの採用予定が当面は1名のみであったこと、
そして口には出しませんが、
・A氏の辞退の仕方に、私が少々頭にきていたこと
が理由で、お断りしました。

そして追加人員の採用を行う段階になっても、A氏に連絡することはありませんでした。

内定承諾後の辞退 冷静に見直してみると・・・

この件があって以来、内定者に対して「入社日までモチベーションを保ってもらうこと」に配慮するようになりました。少数精鋭の専門家を採用するときは特にそうです。

退職の申し出をされた上司は、あらゆる手を使って退職を止めようとします
一方、採用する企業側では「やっぱり辞退します」ではいろんな意味で非常に困ります。

後になってこの件を思い返してみると、次のような疑問が浮かびます。

A氏の提案は本当に「良い提案」だったのか?

“どんなに良い提案をしても”と言っていたA氏ですが、実は「若さいっぱい」勢いだけの提案で、周囲を納得させる内容になっていなかったのではないでしょうか?
面接では詳しく聞くことはできないため、今となっては判定できません。

上司は本当に事業計画を認めたのか?

これは、うがった見方ですが、A氏が在籍していたのは超有名企業ですから、栄転した上司は「しばらくの間、とにかくA氏を黙らせたかった」のではないか?と思うのです。

上司の立場になって考えてみると・・・
・長年、一生懸命に働いてきた
・支えてくれた妻や家族のためにも次はぜひ昇格したい

そんな矢先に部下から
僕の提案をぜんぜん認めてくれないので退職したい」と申し出があったとしたら。
まして、その提案が取るに足らないものだとしたら・・・。

A氏と向き合って、諭したり、教育したりするよりも
わかった、前向きに検討するから提案書を書いてくれ」と言えば、効果絶大だったのではないでしょうか?

根拠のない、うがった見方ですけどね。

まこと部長
まこと部長
結局A氏の「良い提案」の価値はわからないままでした。

上司の言うことを素直に100%信じて転職を思いとどまったA氏は、人を信じる“とても良い人”だったのだろうと思います。

人事部長のまとめ

要点のまとめ

・転職理由は上司への不満だった
・転職者の内定辞退 ~上司の引き止めは甘い言葉に注意!
・転職者の内定辞退 ~企業側が困るのは・・・
・約束した上司は異動 ~認められていた計画は中止!
・内定承諾後の辞退 冷静に見直してみると・・・

まこと部長
まこと部長
退職の申し出があったら、上司は物分りよく認めたりしません。
あらゆる手段であなたを引き止めるでしょう。それも仕事ですから。(笑)

転職を成功させるには、ここを「慎重に」「確実に」乗り越えなければいけません。