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上司のこんな引き止めに注意! ~内定承諾後に辞退→再度入社を懇願したA氏

内定承諾 辞退 引き止め
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上司の引き止め「甘い言葉」は信じて大丈夫?

まこと部長
まこと部長
この事例は、単に「内定の辞退」というより、あなたが退職を申し出たときに「上司の引き止め」にどう対応するか?という実例として参考にしてください。
 
こんなドンデン返しが本当にあったのです!

技術者のA氏は、当社の中途採用に内定して入社を承諾した後、入社予定日の1ヶ月前になって急に入社を辞退してきました。

ところが、また3ヶ月後に「もう一度、採用を検討してもらえませんか?」と力のない声で電話してきました。

A氏の顛末
  1. 当社に中途採用が内定する
  2. 現職に退職を申し出る
  3. 上司に引き止められる
  4. 当社を内定辞退する(入社予定日の1ヶ月前)
  5. 「もう一度、採用してほしい」と電話(3ヶ月後)

その間、いったいA氏に何が起きたのでしょうか?

転職理由は上司への不満だった

A氏は40代、生真面目な、まさに技術者タイプの人。

転職理由は「上司に対する不満」です。

転職者A氏
転職者A氏
どんなに良い提案をしても、上司が許可してくれないから、自分のやりたい仕事が出来ないのです。
 
上司はきっと、私が手柄を取るのがいやなのです。

面接では、彼の「良い提案、新しいアイデア」について、具体的な質問はできません。
彼の会社の新事業や特許アイデアを盗む場ではないからです。

彼の専門分野は希少で、専門家が少ないため「転職したい」という人は滅多に出て来ません。

そのせいもあって話はどんどん進み、入社条件も合意署名して採用内定、あとは入社日を待つばかりとなりました。

まこと部長
まこと部長
私もホッとしていたときA氏から「入社を辞退します」という電話が入りました。
 
現職で、退職の申し出をして上司に引き止められたのです。

転職者の内定辞退 ~上司の引き止めは「甘い言葉」に注意!

そのときのA氏と私の電話のやり取りは・・・

転職者A氏
転職者A氏
今の会社で「全て提案どおりにやってよい」と上司の許可が出ました。
もう転職する必要がなくなりましたので、入社承諾はキャンセルしてください。
まこと部長
まこと部長
今まで認めなかった提案を、上司が急に認めてくれたのはなぜですか?
転職者A氏
転職者A氏
退職を申し出て初めて、私の実力を認めざるを得なくなったのです。
必要な人員も、高額な設備も全て揃えてくれるそうです。
まこと部長
まこと部長
まず一度会って、話を聞かせてください。
転職者A氏
転職者A氏
会ったところで気持は変わらないし、時間の無駄です。
あなたの会社に転職する必要はなくなりましたので・・・。

と、けんもほろろで取りつく島もありません。

転職者の内定辞退 ~企業側が困るのは・・・

こんなとき人事部署が考えるのは、先ず・・・
入社日まで数週間となったタイミングでの入社辞退は、会社の事業計画に大きな影響(損失を含みます)を与えかねないので、どうすればカバーできるか?ということ。

【滅多にいない分野の人材だから、もう一度、最初からさがすのは手間がかかる!】ということではありません。

まこと部長
まこと部長
入社に合意してサインもしたのですから、辞退するにしても、社会人として誠意ある態度で望む必要があります。
 
電話一本で済ませるのではなく、キチンと話を聞きたいのです。

必死になって別の人をさがす!

結局A氏は面談には応じず、電話のみで入社辞退となりました。

急いで別の候補者を探す必要があります。
先述の通り、やっている人自体が少ない分野なので、候補をさがすのは至難の業です。

・誠意のないA氏に対する(正直なところ)怒り
・事業計画の遅れを最小限に抑えたい気持ち

をバネにして、必死に候補者を探し、説得して、3ヶ月かけてやっと別の人材が入社してくれることになりました。

まこと部長
まこと部長
人材をスカウトするのは、本当に難しい仕事です。
転職する気がない人を、説得して転職させるのですから。
 
3ヶ月で別の技術者を採用内定できたのは幸運でした。
私もその頃は若くてパワーが有ったのですね。(笑)

正直なところ、A氏より優秀な技術者が入社してくれることとなり、計画の遅れも挽回できる見込みが立って、ホッ!としていたとき、A氏から冒頭の電話がかかってきました。

約束した上司は異動 ~認められていた計画は中止!

転職者A氏
転職者A氏
もう一度、採用を検討してもらえませんか?

ビックリして、もう一度聞き直しました。

入社をドタキャンしたA氏が3ヶ月後に「もう一度、入社を検討してもらえませんか?」と力のない声で電話してきたのです。内定辞退の電話のときとは別人のような声です。

経緯は・・・

  1. A氏の業務計画を、全てを認めて約束してくれた上司が異動(栄転)になり、
  2. 後任の部門長から「A氏の業務計画の中止」を宣告された
  3. A氏は、もとの状態に戻ってしまった・・・
まこと部長
まこと部長
新しい上司は計画を引き継いでくれなかったのですか?
転職者A氏
転職者A氏
そうなんです。元の上司は良い人だったのに・・。
(面接での発言と正反対!)

・すでに別の人が内定していたこと
・そのポジションの採用予定が当面は1名のみであったこと
・(口には出しませんが)
 A氏の辞退の仕方に、私が少々頭にきていたこと

が理由で、お断りしました。

そして、その部署に追加の採用を行う段階になっても、A氏に連絡することはありませんでした。

内定承諾後の辞退 冷静に見直してみると・・・

この件があって以来、内定者に対して「入社日までモチベーションを保ってもらうこと」に配慮するようになりました。少数精鋭の専門家を採用するときは特にそうです。

部下から退職の申し出をされたら上司は、あらゆる手段を使って引き止めようとします
それが上司の仕事の一部であり、上司の査定にも影響する場合が多いからです。

後になってA氏の件を思い返してみると、次のような疑問が浮かびました。

A氏の提案は本当に「良い提案」だったのか?

「どんなに良い提案をしても、上司が許可してくれない」と言っていたA氏ですが、実は「若さいっぱい」で「勢いだけ」の提案をして、周囲を納得させる内容になっていなかったのではないでしょうか?

面接では、内容を詳しく聞くことはできないため、今となっては判定できません。

上司は本当に事業計画を認めたのか?

A氏が在籍していたのは超有名企業です。

うがった見方かもしれませんが、、、
栄転した上司は「しばらくの間、とにかくA氏を黙らせたかった」だけではないか?と思うのです。

上司の立場で考えてみると・・・
・長年、自分は一生懸命に働いてきた
・支えてくれた妻や家族のためにも次はぜひ昇進・昇格したい

そんな矢先に部下から
僕の提案をぜんぜん認めてくれないので退職したい」と申し出があったとしたら。
まして、その提案が取るに足らない内容だとしたら・・・。

A氏と向き合って、諭したり、教育したりするよりも
わかった、前向きに検討するから提案書を書いてくれ」と言えば、効果絶大だったのではないでしょうか?

根拠のない、うがった見方ですけどね。

まこと部長
まこと部長
結局A氏の「良い提案」の価値はわからないままでした。
 
上司の言うことを素直に100%信じて転職を思いとどまったA氏は、人を信じる“とても良い人”だったのだろうと思います。

人事部長のまとめ

要点のまとめ

・転職の申し出 ~上司は、あらゆる手段であなたを引き止める
・上司からの引き留めは「甘い言葉」に絶対注意!
・内定を辞退するなら、社会人として誠意を尽くす

まこと部長
まこと部長
退職の申し出をしたら上司は、あらゆる手段であなたを引き止めるでしょう。
それも仕事ですから。(笑)
 
上司の話は本当なのか?(具体性はあるのか?)
引き止めるために言ってないか?(誠意はあるのか?)

よ~く聞いて、考えましょう。
転職を成功させるには、ここを「慎重に」「確実に」乗り越える必要があります。