インターネットで利用できる転職支援サービスには、大きく分けて2つあります。
「転職サイト」と「転職エージェント(人材紹介)」です。
「転職サイト」と「転職エージェント」は機能がまったく違うのですが、両者を混同している人も多いため、それぞれについてご説明します。
違いをキチンと理解して、活用しましょう。
転職サイトと転職エージェントの違い
「転職サイト」と「転職エージェント(人材紹介)」は、どちらも無料で利用できる転職活動支援サービスです。
掲載されている求人情報から「自分で」応募先を決め、求人企業とコンタクトするもので、転職活動を全て自分で進めます。
※経歴がマッチすれば、求人企業側からあなたに「スカウトメール」が届く機能もあります。
専任の担当者がついて、あなたの経歴や希望、今後のキャリアを考慮してマッチする求人企業を紹介してくれます。
※「キャリア診断」「応募書類の書き方」「面接のレッスン」等、さまざまなサービスがあります。
転職エージェントのメリット・デメリット
「違いや特徴がよく分からない」
「自分はどちらを使うべきか分からない」という方は、ぜひ続きをお読みください。
転職エージェント 8つのメリット
転職エージェントに登録すると、転職活動のスタートから転職成功まで、多くのサポートやサービスが受けられます。その一部をご紹介します。
マッチする求人企業(非公開含む)を紹介してくれる
応募書類の書き方が上達する
面接対策が万全にできる
面倒な日程調整を代行してくれる
一般の候補者より有利になるケースもある
年収交渉を代行してくれる
退職トラブルや転職後のフォローも受けられる
1)キャリアアドバイザーのアドバイスが心強い!
転職者ごとに担当者がついて、面談から内定、転職後までサポートしてくれます。
転職活動には「不安がつきもの」。プロのアドバイスは本当に心強いものです。
2)マッチする求人企業(非公開含む)を紹介してくれる
転職エージェントには、他では公開されない「非公開求人」がたくさん有ります。
非公開求人は処遇や役職が良いのが特徴で
・企業戦略で、表立って募集できない求人
・公開すると人が集まりすぎる求人
など、こっそりと人を採用したい場合に求人企業が転職エージェントに依頼するものです。
3)応募書類の書き方が上達する
40代の転職活動では「書類審査」を通過出来ないケースが目立ちます。
転職エージェントで「応募書類の書き方」を受講すれば、セールスポイントが整理でき、応募書類への適切なアピール方法も分かります。
4)面接対策が万全にできる
転職面接では、緊張して、自分では気づかない話し方のクセ、姿勢のクセが出るものです。
面接での「弱点」が見つかる上に、正しいアピール方法も学べますよ。
5)面倒な日程調整を代行してくれる
転職エージェントは、求人企業にあなたを推薦し、面接日程を調整してくれます。
仕事中に、複数の求人企業から何度も電話が入るということが避けられます。
6)一般の候補者より有利になるケースもある
正直なところ「転職サイトからの応募者」は人数も多く、レベルも「玉石混交」。
書類選考や面接の際も、キャリアやスキル、人柄など全てチェックする必要があります。
一方、転職エージェント経由の場合「転職エージェントによる一次審査をパス」しているため、一歩踏み込んだスキルや実績などに集中して面接ができます。
私自身は「どのルートから応募したか」より「仕事にマッチするかどうか」で面接の審査をしてきました。
「情報量が多い」「バックアップがある」の点で、転職エージェント経由の応募者の方が有利と考えます。
7)年収交渉を代行してくれる
年収の交渉は、タイミング、話し方、金額の設定、どれも難しいですね。
転職エージェントに、希望年収を伝えれば、交渉を代行してくれます。
求人企業も(日常的にコミュニケーションしている)転職エージェントと調整するほうが、話が円滑に進みます。
8)退職トラブルや転職後のフォローも受けられる
現在の会社に「退職の申し出」をすることは、転職活動のもうひとつの山場です。
「いつ」「どのように」申し出るかによっては、トラブルになるケースもあります。
優秀な人ほど強く引き留められて、苦しい思いをするものです。
また、転職後は「新しい会社になじんで、仕事をこなせているか?」が、転職の成否を大きく左右します。
転職エージェントは転職後のフォローもしっかり行っていますから、ご安心を。
転職エージェント 3つのデメリット
転職の軸がないと、誤った転職をしてしまう可能性も
キャリアアドバイザーと相性が合わない場合がある
1)経歴やスキルによっては、紹介できる求人が少ないことも
転職エージェントは「求職者に適した求人」を紹介します。
「合格の可能性が低い(無謀)」と判断する求人案件は原則として紹介しません。
2)「転職の軸」がないと、誤った転職をしてしまう可能性も
ただし、まれに彼らの「成功実績を作りたい」気持ちが先行してしまう場合があります。
もし求人企業に内定したら、入社させたい(実績を作りたい)のが人情です。
が、転職エージェントが強くプッシュしてくるときや、迷ったときは、転職活動の原点にもどって考えましょう。
この転職で、あなたが
「やりたいこと」は何でしたか?
「絶対にゆずれないこと」は何でしたか?
転職の主役はあなたです。
目指していた転職と一致している場合は、勇気を持って進みましょう。
目指していた転職と異なる場合には、辞退する勇気も必要です。
3)キャリアアドバイザーと相性が合わない場合がある
転職エージェントの担当者(カウンセラー、キャリアアドバイザーなど)は転職活動の成否を分ける重要な存在です。
40代の転職者なら、担当者を「使いこなす」ことも大事ですが、相性が合わないケースはあります。
その場合は、担当者の交代を依頼するか、別の転職エージェントを使うしかありません。
転職エージェントの使えない担当者の見分け方
転職エージェントと転職サイトの違いと特徴まとめ
区分 | 転職エージェント | 転職サイト |
---|---|---|
利用料金 | 無料 | 無料 |
求人案件の数 | サイト掲載された求人の他に非公開求人がある。 求人企業の特徴や募集背景はキャリアアドバイザーが説明してくれる。 | サイト掲載された求人案件のみ。 分野は広く、件数も多い。 |
キャリアアドバイザー | 転職のプロにキャリア相談できる。転職活動全般を通じてサポートしてくれる。 | なし |
転職活動の相談 | 今後のキャリアプラン、応募する会社の相談など、転職活動全般を相談できる。 | なし |
応募企業の選択 | 今後のキャリアプランや希望に沿って、適した企業を紹介してくれる。 | なし(自分で行なう) |
応募書類の書き方 | あなたの強みをアピールする応募書類の書き方を指導してくれる。 応募企業に合わせた書き方もわかる。 | 「履歴書の書き方」のページがある。 |
面接日程の調整 | 複数企業への同時応募でも、希望に合わせて面接日程を調整してくれる。 | なし(自分で行なう) |
面接対策 | 模擬面接などのレッスン指導で本番に備える。 アピールの仕方も学べる。 | 「面接対策」のページがある。 |
面接後のフォロー | 求人企業に対して、面接では言えなかったこともフォローしてプッシュしてくれる。 | なし |
年収の交渉 | 自分では言いにくいことも含めて、企業側に交渉してくれる。 | なし(自分で行なう) |
転職後のフォロー | 新しい会社で力を発揮できるよう、キャリアアドバイザーがフォローします。 | なし |
転職サイトと転職エージェントのおすすめ活用術
以上のように、転職サイト、転職エージェントともにメリット・デメリットがあります。
40代の転職活動には、両者の特徴を知って、使いこなすことが必須です。
40代の転職者におすすめする転職支援サービス活用術
40代の転職者におすすめする転職支援サービスの活用術は、
“転職サイト”で気になる求人を見つけて、
“転職エージェント”経由で応募する、という方法です。
具体的には、下記の手順で転職活動を進めていくのが良いです。
1. 転職サイトに登録する
2. 転職サイトで求人情報を検索する
3. 転職エージェントに登録する
4. 転職サイトで気になった求人を伝える
5. 転職エージェント経由で応募する
転職サイトで、広く求人情報を見て、相場観というか転職市場の状況を見ます。
気になる求人を見つけて、転職エージェントのキャリアアドバイザーに伝えて紹介してもらいます。
あるいは先に転職エージェントから「あなたに適した求人情報」を紹介してもらい、(セカンドオピニオンとして)関連する求人情報を転職サイトで探します。
気になる求人を見つけたら、転職エージェントのキャリアアドバイザーに伝えて紹介してもらいます。
人事部長のまとめ
◆転職サイト
→ 転職活動を全て自分で進めるツール
◆転職エージェント
→ 専任の担当者がついて、あなたにマッチする求人企業を紹介する
◆転職サイトと転職エージェント、両者を使いこなす
・転職サイトだけを使い、転職エージェントの意見は確認してない
・転職エージェントの紹介企業だけを受験して、他の求人情報を見てない
どちらも情報のバランスが良くないです。
転職活動の成功を勝ち取るため「転職サイト」「転職エージェント」の両方から情報を得て使いこなすのが賢い方法です。