両者の違いをキチンと理解して、転職支援サービスを使い分けましょう。
インターネットで利用できる転職支援サービスには、大きく分けて2つあります。
「転職サイト」と「転職エージェント(人材紹介)」です。
「転職サイト」と「転職エージェント」は機能がまったく違うのですが、両者を混同している人も多いため、その違いをご説明します。
転職サイトと転職エージェントの違い
「転職サイト」と「転職エージェント(人材紹介)」は、どちらも無料で利用できる転職活動支援サービスです。
ただし、機能が異なる上、それぞれにメリットとデメリットがあります。
「違いや特徴がよく分からない」
「自分はどちらを使うべきか分からない」
という方は、ぜひ続きをお読みください。

転職サイトとは?
「転職サイト」とは、サイト上の求人情報を検索・チェックして、登録者が自分で応募、面接へと進めていくスタイルの転職支援サービスです。
「転職サイト」では、転職活動を自分自身で進めていくことが前提です。
転職エージェントとは?
「転職エージェント」とは、登録者がキャリアアドバイザーのサポートを受けながら転職活動を進めてゆくスタイルの転職支援サービスです。
あなたの転職成功のために、転職のプロがマンツーマンであなたの転職活動をサポートします。
転職サイトのメリットとデメリット

転職サイト 5つのメリット
自分のペースで転職活動できる
複数の企業に応募しやすい
応募する企業を自分で選べる
スカウトメールが届くこともある
1)閲覧できる求人情報が多い
転職サイトを利用するメリットとして、まずは「閲覧できる求人情報の多さ」があげられます。
転職サイトでは、掲載されているすべての求人を閲覧することが可能なため、業界や職種、企業規模など問わず、あらゆる求人を比較・検討して応募できます。
自分で応募企業を選択した、という納得感があります。
2)自分のペースで転職活動できる
転職サイトの特徴として、履歴書や職務経歴書の作成、求人への応募、応募企業とのやりとりなど、転職活動の多くのプロセスをサイト内で自分だけで行うことができます。
一方、転職エージェントでは専任のキャリアアドバイザーがついて、一緒に歩調を合わせて転職活動を進めます。
転職サイトにはキャリアアドバイザーがいないため、複数の企業とのやりとり、スケジュール管理などをキチンとコントロールできれば、「手早く」や「ゆっくり」「ノンビリ」も含めて自分のペースで転職活動に取り組めます。
3)複数の企業に応募しやすい
転職サイトによっては、履歴書・職務経歴書などの応募データを登録すれば、複数の求人企業に同時に応募することができます。
会社ごとに志望動機などを書き直す手間がないため、気軽に複数の会社に同時応募できます。
4)応募する企業を自分で選べる
転職エージェントでは、キャリアアドバイザーがあなたの「強み」に合わせて、求人企業を紹介してくれます。
しかし、転職サイトにキャリアアドバイザーはいません。
求人検索や閲覧も自分で行うため、応募条件に当てはまれば誰もが応募できます。
「職種や業種を変えたい」と考えている人や、いろいろな業界や職種の求人を見てみたいと考える人には、よいツールとなります。
5)スカウトメールが届くこともある
多くの転職サイトには「ダイレクト・リクルーティング」と言う機能があります。
サイトに登録した転職者に、求人企業から直接オファーメールやスカウトメールが届く仕組みです。
あなたが転職サイトに登録する「プロフィール」(氏名・連絡先など個人情報を除きます)は求人企業側から閲覧することができるので、経歴やスキルで判断して、その企業が求める人材と近い場合、サイト内でスカウトメールが届くのです。
転職サイト 3つのデメリット
応募書類や面接対策などに、他者の客観的なアドバイスがもらえない
転職後にミスマッチを感じる可能性もある
1)求人の検索、応募、面接日程の調整など、すべて自分で行う
転職サイトでは、転職活動の判断や手続きを、すべて自分一人で行わなければなりません。
特に在職中の方は、
・仕事中にも携帯電話に連絡が入る
・複数の企業とのスケジュール調整
などで、周囲に気づかれない工夫も必要です。
2)書類や面接など、他者の客観的なアドバイスがもらえない
同じような経歴・スキルであっても
・応募書類の書き方(履歴書・職務経歴書など)
・面接の事前準備や話し方
によって、転職活動の結果、成功するか失敗するかは変わります。
書類選考や面接の段階で「受からない」状態が続いた場合などに、第三者の客観的なアドバイスがあれば、解決の糸口が見いだせる上に、精神的にも大きな救いとなります。
3)転職後にミスマッチを感じる可能性もある
転職エージェントを利用する場合は、転職のプロであるキャリアアドバイザーの意見と自分の希望とを調整して、応募する求人企業を決めます。
一方、転職サイトの情報だけを見て、自分一人で転職を決めた場合は、入社後に「ベストな選択だったか?」と、ミスマッチを感じる可能性があります。
転職エージェントと転職サイトの違いと特徴まとめ
区分 | 転職エージェント | 転職サイト |
---|---|---|
利用料金 | 無料 | 無料 |
求人案件の数 | サイト掲載された求人の他に非公開求人がある。 求人企業の特徴や募集背景はキャリアアドバイザーが説明してくれる。 | サイト掲載された求人案件のみ。 分野は広く、件数も多い。 |
キャリアアドバイザー | 転職のプロにキャリア相談できる。転職活動全般を通じてサポートしてくれる。 | なし |
転職活動の相談 | 今後のキャリアプラン、応募する会社の相談など、転職活動全般を相談できる。 | なし |
応募企業の選択 | 今後のキャリアプランや希望に沿って、適した企業を紹介してくれる。 | なし(自分で行なう) |
応募書類の書き方 | あなたの強みをアピールする応募書類の書き方を指導してくれる。 応募企業に合わせた書き方もわかる。 | 「履歴書の書き方」のページがある。 |
面接日程の調整 | 複数企業への同時応募でも、希望に合わせて面接日程を調整してくれる。 | なし(自分で行なう) |
面接対策 | 模擬面接などのレッスン指導で本番に備える。 アピールの仕方も学べる。 | 「面接対策」のページがある。 |
面接後のフォロー | 求人企業に対して、面接では言えなかったこともフォローしてプッシュしてくれる。 | なし |
年収の交渉 | 自分では言いにくいことも含めて、企業側に交渉してくれる。 | なし(自分で行なう) |
転職後のフォロー | 新しい会社で力を発揮できるよう、キャリアアドバイザーがフォローします。 | なし |
転職サイトの活用術
以上のように、転職サイト、転職エージェントともにメリット・デメリットがあります。
40代の転職活動には、両者のメリット部分を理解して、使いこなすことをおすすめします。
具体的には、
閲覧できる求人情報が多い”転職サイト”で気になる求人を見つけて、
サポートが手厚い”転職エージェント”経由で応募する
という方法です。
この方法なら、”転職エージェント”に求人企業を紹介された際にも
・あなたに適切な企業であるか?
・同様の求人は他にないか?
など、セカンドオピニオンとして”転職サイト”を活用することもできます。
具体的には、下記の手順で転職活動を進めていくのが良いです。
1. 転職サイトに登録する
2. 転職サイトで求人情報を検索する
3. 転職エージェントに登録する
4. 転職サイトで気になった求人を伝える
5. 転職エージェント経由で応募する
転職サイトで、広く求人情報を見て、相場観というか転職市場の状況を見ます。
気になる求人を見つけて、転職エージェントのキャリアアドバイザーに伝えて紹介してもらいます。
あるいは先に転職エージェントから「あなたに適した求人情報」を紹介してもらい、(セカンドオピニオンとして)関連する求人情報を転職サイトで探します。
気になる求人を見つけたら、転職エージェントのキャリアアドバイザーに伝えて紹介してもらいます。
人事部長のまとめ
・転職サイトで「求人情報」を広く知る
・転職エージェントの「セカンドオピニオン」とする
・両者のメリットを知り「いいとこ取り」で使いこなす
・転職サイトだけを使い、転職エージェントの意見は確認してない
・転職エージェントの紹介企業だけを受験して、他の求人情報を見てない
どちらも情報のバランスが良くありません。
転職活動の成功を勝ち取るため「転職サイト」「転職エージェント」の両方から情報を得て使いこなすのが、40代の賢いやり方です。